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平成23年4月2日

5月14日

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祈りのこころ   中谷昌善

 
皆さんは、御本尊様の前でお経を唱えたり拝むとき、どんな心持ちで、どういうふうに拝まれますか、お祈りされますか。
 
お寺参りをしたとき、お寺の入り口にはきれいなお水が用意され手を洗ったり、口を濯いだりして身も心も洗い清め、清浄な身と心になって本堂へと参りす。
このように、御本尊様にお詣りする前手には身も心も清らかにする、懺悔の祈り、自らの反省の祈りをします。

お大師さまは自らの書、三教指帰下の中に「各々、我レハ是ナリト謂イ、並ビニ彼ハ非ナリト謂ウ」つまり、人は皆自分が正しく、他人が間違っていると思いこんでいる、と述べられています。
私達の目は、外を見る為についています。そのためか、私達は人の短所は目に入りやすく批判、批評はお手の物です。でも人の良いところ長所を発見して誉めて上げればどうでしょうか、その人の能力、才能を伸ばし仲良く出来ます。友達も増えていきますね。    自分を見るには鏡の前に立ってその姿を写すしか方法は有りません。

ニキビが増えてきたな、髪の毛に白いのが目立ってきたな、しわが目立つきたな、と自分の外見の変化は鏡を通して見ることが出来ます。ところが、自分自身のすべてを見ているわけでは有りません、鏡にも映らない自分のすべてを振り返ってみる、心の中を見つめ直す懺悔、反省の祈りが身も心も清らかにし、幸せな人生を求める人には新たな前進となる大切な祈りです。 

 次には感謝の祈り、有り難うの祈りです。阪神淡路大震災の記憶も世間では薄れてきたようですが。被災地に住む人達にとっては生涯忘れられ事が出来ません。またその中からいろんな事を体験し、学びました。苦しんで困っている人への援助活動、人々の助け合い、ライフラインの破壊による不自由な生活。
 
蛇口を捻るとお水が出ます。平素はそれが当たり前えなのですが、やかん一杯のお水をもらうのに2時間3時間5時間と並ばなくてはもらえない苦労をして1ヶ月2ヶ月後に蛇口から水が出た喜びは、生涯忘れることの無いほどの感謝の気持ちがわいてきましたね、とお話しすると「そうだったな」と苦渋する方もいらっしゃると思います。
病気になって病院のベッドに寝てはじめて健康のありがたさがわかる。不足して、無くし失ってみてはじめてわかる、ありがたさです。皆さんご自身はどうですか、家の中、友達、会社、そして私達の日常生活の中で
も気がつかない事が多いのではありませんか。

これらを見出し、ありがとうの感謝の心を持ちたいものですね。私達は地球の、宇宙の、大自然の恵みと脅威の調和の中で日暮らしさせていただき、生かされていることに「ありがとう」の感謝の祈りを忘れてはいけません。
 そして、希望の祈りです。御本尊様へのお願いです。四国を巡礼するお遍路さんも、霊場を巡拝したり高野山にお参りされる方々も、何かの祈願、願いの成就を念じながらお参りされているのです。子供さんには野球、サッカ−、ピアノが上手になりたい、学生さんには勉強、志望校への入学、大人は仕事、家庭、そして健康、老人の方は寝込まないように、健やかな余生など、それぞれの願い、希望が有ると思います。人間として生き、人生の道を歩むのには目標、希望が無くては進めません。お大師さまは「虚空尽キ、衆生尽キ、涅槃尽キナバ我が願イモ尽キン」と万燈会願文で申されております。世の中の人がみんな苦しみから解放され、本当の幸せが得られるまで私の願いは尽きることがないと、いうのがお大師様の目標、希望なのです。

高野山真言宗では、私達が日々の生活の苦しみ、願いを仏さま、お大師様におすがりしなさいと教えます。私達の人生を実り多いものにするためにも、幸せなものにするためにも前向きに生きる、目標、希望の祈りを大切にしていきましょう。
反省の心、感謝の心、希望の心を持って日々の礼拝怠ることなく真の幸せを求めて、祈りの信仰生活に精進しましょう。