法話のページ
今回は十善戒に説かれているなかの、心に関する修行についてお話を進めて参ります。心の貪 貪欲になってはいけません。あれも欲しい、これも欲しい見る物見る物が欲しい欲張ってはいけません。
不瞋恚
腹を立てたりイライラ怒ったりしてはいけません。
不邪見
正しい見方をせずに独断と偏見で物事を判断したり、曲がった考え方をしてはいけません。
私達の心はとてもやっかいです。感情に支配されやすく、冷静に判断するのもままなりません。私達は欲望のままに日々を送っているのです。
喉が渇いた時その渇きを癒す為にコップの水を一気に飲み干します。それでも喉の渇きはなかなか癒せません。人間の欲望も終わることを知らず次から次へとわいてきます。
「腹八分目」と言葉があります、自分の好きな物を美味しいからと言って食べ過ぎるとお腹をこわして病気になってしまいます。私達が生きていくには、欲も無くてはいけませんが度を超すと、かえって身を滅ぼす元になってしまいます。自分のことだけしか考えられないという生き方を変え、自分の周りの人達への慈悲、優しさの心を持ちたいものです。 現在の社会はストレス社会と言われます。
家を一歩出れば大人も子供もストレスに身も心もさらされるのです、なかには自分の家の中でもストレスから解放されることがないと言う人も少なくないようです。イライラしたり短気を起こしたりカッと頭に血が上り自分の心が自分の心で無くなったり、取り乱した言葉を出したり行動を取ってしまい、取り返しのつかない失敗となります。
最近若い人達の口から「ムカツク」という言葉をよく聞きます、何をそんなにイライラしているのしょうか。”忍耐”耐えると言うことを忘れ欲望のままに生きる現在人を表しているのでしょうか。大きな深呼吸をして心を落ち着かせて、御宝号をお唱えして怒りに耐え、怒りを耐える修行によって菩薩へと近づくのです。
人は外見で判断をしてはいけないと言います。ところが多くの人達は、その人の着ている物や人の噂話によって作られた色眼鏡で見てしまい判断してしいます。物事でも一方的な見方しか出来ずその真実の姿を見ようとはしないのです。私達は、その人の本当の姿、その真意を見るように理解出来るように努力が必要です。相手の立場になって物を考える、他の視点から観察してみる、そういう柔らかい心が必要なのです。偏見を捨てた正しい見方、考え方が私達の未来を救うのです。
あなたはどんな人と友達になりたいですか、仲良くしたいですか。もし、こんな人がいたらどうでしょう。 いつも欲張りで、怒りぽく、ひがんだ物の見方しかできない人。
残念ながら、こんな人は友達も出来そうに有りませんね。
菩薩への道、しあわせを求める人は、しあわせの種まき、貪欲を捨てて施しの心を持ち、むやみに腹を立てず穏やかな心を持ち、正直な正しい見方の出来る心、意識を持つことによって菩薩へ近づき、このこころの修行によってお大師さまの理想この世をお浄土にする密厳国土の建設みんなが幸せに仲良く暮らせる社会の実現に一歩前進するのです。
菩薩への道として三回に分けてお話をすすめてきました。身体、言葉、こころにまつわる菩薩行です。毎日これらの修行を振り返って反省を繰り返し菩薩の道を進みたいものですね。
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